タメ息を袋に集める

走る

上り坂を走る。
広い砂の上を走る。
幾千の観衆の中を走る。
嵐のブーイングの中を走る。
錆びた螺旋階段、
高い木の間、
動く廊下の上さえも、
低いものは飛び越え、
高いものはくぐり抜け、
時にはまわり道もして、
振り返って足跡を消して、
鍵を掛けて、
遠くへ遠くへと走る。
時にはわざと追い付かせたりしながら、
なぜか誰よりも早く走り続けて、
不安になってまた振り返る。
一方通行を逆走し、
踏み切りをくぐり抜け、
街角の信号の明かりがやけにはっきりしてきた頃、
ずっとずっと遠くだった背中の足音が、
いつの間にか追い付いてきて、
僕の肩をかるく叩いて追い抜いていくと、
僕はようやく立ち止まって、
清々しく息をする。
夜中まで頑張る人の明かりを少しづつもらいながら。
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by maekawaz | 2004-09-09 07:47 | 詩集
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