タメ息を袋に集める

ジョン

「ジョン、こんないいお天気に何処へ行っていたの?」
「いい天気だから出かけたんダロ、」
「全身水浸し。」
「公園の噴水のところで声が聞こえたんだ。
 てっきり誰かが溺れてるんだと思って俺は飛び込んだ。」
「足は泥だらけ。」
「公園の植え込みのところで声が聞こえたんだ。
 てっきり誰かが埋まってるんだと思って俺は掘り進んだ。」
「何なの? その汚れたボール。」
「公園に転がってた。
 このボールの中から声が聞こえたんだ。
 てっきり誰かが閉じ込められてるんだと思って
 俺はボールを噛み砕こうとした。」
「ジョンはいいよね、いつも気侭で、何だって楽しそうで、」
「ねえ、あの声は何だったんだろう?
 僕はいつも、聞こえてくる声の方向へ歩いて、
 声を見失うんだ。」
「せっかく泥んこになったんだから、
 もっと遊ぼうよ、ジョン、」
「君には、聞こえないの? 
 天気のいい日の風みたいな、あの空耳。」
「ジョン、おいで、」
「僕はいつも、聞こえてくる声の方向へ歩いて、
 声を見失う。
 君は、一体誰?
 僕は、君の役には立たないのかな?」
「どうしたの? ジョン、」
「いや、なんでもない。」
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by maekawaz | 2004-11-23 13:56 | 詩集
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