タメ息を袋に集める

世界の果て

世界がまだ丸くなかった頃、
大地には果てがあって決して登れない絶壁になっていた。
海は、その果てを見て帰ってきた者はいなかった。
これは僕がまだ子供だった頃の話だ。
木造や鉄筋コンクリートの家。
それから黒い煙突と高速道路と高層ビル。
世界の果てから遥か遠く、
僕は世界の真ん中あたりで生まれて育った。
目にしたことのない世界の果ては、
童話の世界のように陰影が単純で、
僕はよく公園の砂場でそれを作ってみた。
母親に聞かれても言葉が思いつかず、
壁、とか、崖、とか答えていた。
そして最後にはお気にいりのオモチャのショベルカーで
僕は世界の果てを壊した。
世界に果てがあることが、
僕には恐くてならなかった頃の話だ。
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by maekawaz | 2004-12-08 06:42 | 詩集
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