タメ息を袋に集める

夢売る男

その七色の輝きを、
派手だと嫌う人がいて、
その響き渡るリフレイン、
眠りの邪魔だと追い出され、
そのカグワしい芳香を、
安っぽいなとバカにされ、
とろけるような舌触り、
歯ごたえないと捨てられて、

夢売る男は今日もまた、
業績不振でトボトボと、
事務所へ帰る帰り道、
男は転んで売り物の、
夢を路上にぶちまける。

夢は踏まれて人混みで、
汚れて歪んでひび割れて、
夢売る男は大慌て、
拾い集めてはい回り、
自分も汚れて座り込む。

公園ベンチの片隅で、
売り物にならぬ夢たちを、
並べて数えて確かめて、
ひとつ足らぬと気付いたら、
さっきの路上へ舞い戻る。

夢は消えたか流れたか、
どこにも姿は見えぬまま、
夜は更けゆく月が出る。
男は壊れた夢抱え、
途方に暮れる風が吹く。

一人の少女が現れて、
男が失くした夢ひとつ、
凹んで壊れた夢ひとつ、
大事に抱えて差し出して、
落ちてましたと、
微笑んだ。

男は夢を受け取って、
幸せそうに微笑んで、
再び歩く夜の街、
どこか世界の片隅へ、
歩いて消えるその男、

夢は売れずに壊れても、
男は今も何処でか、
大事に夢を抱えてる。
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by maekawaz | 2005-01-02 23:09 | 詩集
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