草の上
草の上、
忘れられた白球。 その隣に寝転がり、 子供達が探しに来るのを 待つでもなく待ちながら、 俺は白球のように、 あいつらを楽しませてきたのか、 考えてみる。 優しく転がっても、 小さなケガをさせても、 届かないくらい高く飛んでも、 あいつらは不満げで、 そして満足そうだったっけ。 迷いの中で投げつけられたボール。 手から逸れ見えなくなって、 少しは草をかき分けたけれど、 すぐに諦める。 俺はそんな存在。 突然消えても、 それはそれであいつらは生きる。 ただ、 俺は白球のように、 汚れたまま哀しく佇みはしない。 自分で転がる。 それが俺だから。
by maekawaz
| 2004-05-08 18:21
| 詩集
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