タメ息を袋に集める

夢らしくない夢

普段通り歩き慣れた道を歩いていた。
早朝の自動販売機までの道、
その途中で男は立ち止まり、
自分がまだ夢の中に居ることに気付いた。
気付いたけれども自動販売機まで行き、
いつもと同じものを買い、
家に帰って出かける準備をした。
夢は世界を普段通り動かし、
男も普段通り動いた。

なんとも、
気分がいい。

男が夢の中でも普段通り行動するのは、
理由があった。
おそらく男は空も飛べるだろうし、
気に入らない奴を殴ることも出来た。
けれどひとたび、
この夢に夢のような出来事を持ち込むと、
夢のリアルは消し飛び、
夢はまったく、夢らしい夢になる。

男は夢らしい夢が醒めやすいことを知っていた。
これまでの夢のどれもがそうだった。
だから男は、夢らしくない夢を見たなら、
必ず不自然な行動は慎もうと決めていた。
そうすれば、夢は続くのだ。

男は、あらゆる可能性を持ったまま、
現実そっくりの夢の中で、
今も過ごしている。
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by maekawaz | 2004-05-18 12:16 | 詩集
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