タメ息を袋に集める

絶滅寸前のコビトたち

多分、風邪をひくたびに
咳や鼻水と一緒に出ていってしまったんだと思う。
僕の頭の中で暮らしていたコビトたちは
どんどん減って最後の一人になってしまった。

彼らは僕よりもずっとよく笑い、よく泣いた。
困っている犬を家に招いては親に叱られた。
観察力と集中力に優れ、視力は2.0以上だった。
匂いに敏感で、大人の匂いが一人一人違うことをしっていた。
いつかは空を飛び、宇宙へ行く計画を本気で立てていた。
大統領になるための本があると信じていた。
母を愛し、父を畏れていた。
宝の地図を作り、宝を地底人に奪われたりしていた。
そして時々、僕の頭の中で暴れた。

僕は最後の一人になったコビトに、
毎日手紙を書いている。
どうか、君だけは、出ていかないで欲しいと、
でないと、僕の頭の中は空っぽになってしまうから。

時々、コビトから手紙の返事が返ってくる。
それは僕に宛てられたメッセージであると同時に、
世界中に散らばる、絶滅寸前のコビトたちに
宛てられたメッセージでもある。

僕は最後の一人となった僕の頭の中の住人との文通を繰り返しながら、
誰かの頭の中のコビト達を探し続けている。
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by maekawaz | 2004-02-24 17:47 | 詩集
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