タメ息を袋に集める

電柱

幼年時代はペンキを持ち出して、
電柱をトーテムポールに変えて
近しい未来と小さな世界に祈りを捧げた。

反抗期になるとノコギリを持ち出して、
ネンリンのない巨木を切り倒そうとしながら、
無力にウチヒシガレていた。

青年になると手にマツヤニをつけて、
とにかく上へ、とにかくテッペンを目指し、
転落を怖れることはなかった。

大人になると目印を付けて、
僕の歩く方向をいつも問いかけた。
とにかく見失う事が怖かった。

家族が死んだ日は、
静寂のアサモヤの中で、
無数の墓標のように見えていた。

最愛の人と出会った日は、
今まで僕の世界と僕の空を
支え続けてくれたことに感謝した。

孤独の友人。
戒めのクサビ。
記憶の証人。
世界のトゲ。
新しい向こう側への鍵。
受け止めるアンテナ。
大魚のコボネ。

長いようで短い僕の時間に、
静かに佇むのは、
不思議な運命の糸を持つ、
変幻自在の日常の塔。
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by maekawaz | 2006-07-26 23:22 | 詩集
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