タメ息を袋に集める

イメージだけの男

イメージだけの男が、唐突に扉をノックする。
鍵を開けると、その男のイメージだけが、
俺の部屋に飛び込んでくる。

正体不明の男、
俺の思いも寄らなかったイメージで、
俺の目の前に立つ。

人の部屋の中を、
土足でズカズカと歩き回るイメージ。
隠しているものを、
ガサゴソと勝手に探し回るイメージ。
二日酔いの俺の頭を、
ガンガンと殴るイメージ。
そして、放っておくと、
消えてなくなりそうなイメージ。

俺は男を捕まえようとする。
部屋中を走り回って、
バタバタと男に飛びつきながら。
けれど男はするすると、
俺の両手をすり抜ける。

俺は扉に鍵をかけ、
イメージだけの男を囲い込んだ。
そして二人で我慢比べ、
とことん一緒に時を過ごす。

俺はイメージだけの男を捉えたくて、
男に俺の体を貸した。
これで、男の居場所はよく見える。

けれど俺の体は不器用で、
イメージ通りに動かない。

俺は男と語りたくなって、
男に俺の声を貸した。
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by maekawaz | 2004-02-29 19:48 | 詩集
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