タメ息を袋に集める

忘れていた呼吸を 思い出す

あの日隠したまま、
忘れていたラクダ的な乗り物の事を
思い出して、
久しぶりに遠くへ行く事にした。
急がないと決めてから、
数億のカメ的な生き物に追い越されていた。

名前が思い付かなくて、
忘れていた出生届の事を
思い出して、
久しぶりに我が子の名前を考えた。
窓口のオバチャンが、
どうせ今夜もどうせ今夜もと二回言った。

夜が長過ぎて、
忘れていた昼下がりの太陽を
思い出して、
サイズの合わない水着を取り出した。
ドップリと、ドップリと
溺れていたあの日の味がのどの奥にある。

僕はもう少し、
忘れていたい時間があった事を
思い出して、
声や、温度や、君を思い出して、
猫や魚や、
風や雲や空や、
ゴミ箱の中の宇宙を思い出して、

君が泣いた事や、
僕が泣いた事を思い出して、

夢から覚めるように、
もう一度、
夢の中へ落ちて行く。

ここには、
まだ生きていると、
百万回書いてある。
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by maekawaz | 2008-05-29 21:27 | 詩集
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