タメ息を袋に集める
2012-02-19T11:13:21+09:00
maekawaz
詩とか
Excite Blog
猫が駆け抜ける
http://maekawa.exblog.jp/14700445/
2012-02-19T11:13:24+09:00
2012-02-19T11:13:21+09:00
2012-02-19T11:13:21+09:00
maekawaz
詩集
脚を十本ぐらいにして猫が駆け抜ける。
道の向こうには
待っている家族が居るかもしれない。
小さなお気に入りの場所が或るのかもしれない。
カナラズも、エイエンも、分からないまま、
君は駆け抜けた。
アスファルトとタイヤに囲まれた場所で
君は生まれて、小さな世界を知って、
小さな時間を生きる。
刹那と刹那の流れの間を、
小さな永遠を抱えて猫が駆け抜ける。
僕は君達が刹那を避けきれずに
アスファルトに永遠を零してしまうのを何度も見た。
この世界が君達に強いている事を、
僕は取り除く事もできず、
明日も明後日も、
君達が無事に道の向こう側に辿り着く事を、
祈るばかりだ。
車と車の流れの間を、
地上20センチの視線で捉えて猫が駆け抜ける。
鉄とコンクリートの中では、
小さな命はもっと小さく見えて、
けれどその分、温度や光は凝縮されて、
そんなふうに生きるべきなのは、
みんな同じだけれど、
僕は祈るばかりだ。
今日も永遠が続きますように。]]>
駅までの道のりの途中で
http://maekawa.exblog.jp/14599278/
2012-02-05T00:32:41+09:00
2012-02-05T00:32:41+09:00
2012-02-05T00:32:41+09:00
maekawaz
詩集
息を止めたままでも駅まで辿り着いたし、
新幹線だってSLだってすぐに飛び乗って、
宇宙の果てにでも行けたけれど、
引っ越してからは、
一日や二日歩いたぐらいでは
駅には辿り着かないし、
飛び乗るべき一輪車も二輪車も
錆付いてイライラするんだ。
あの頃見た宇宙の果てだって、
なんだかマボロシのような気がするんだ。
でもね、
うちにテレビがあるんだけれど、
うちのテレビはちょっと嘘つきなんだけど、
宇宙の果ては拡がっているって、
テレビが言っていたから、
本当かどうか分からないけど、
俺はナルホドナって思ったね。
道理で昔ほど簡単に辿り着かないんだナ、
遠い遠い駅までの道のりの途中で
追い越して行く車輪の錆の音も軽やかに、
それでも僕は歩いている。]]>
手紙をビンに詰めたから
http://maekawa.exblog.jp/14478161/
2012-01-22T12:00:00+09:00
2012-01-22T17:29:27+09:00
2012-01-21T14:07:47+09:00
maekawaz
詩集
海まで行くらしいから、
手紙をビンに詰めたから、
もうすぐ届くと思います。
もしもアナタの受け取る場所が
川の上流だったらすみません。
ちょっと時間が掛かるかも。
けれど僕は確実に、
手紙をビンに詰めたから、
いつかは届くと思います。
ビンの中身の手紙はすべて、
アナタに届くと信じてる
祈りの言葉ばかりだから]]>
やっと眠れる
http://maekawa.exblog.jp/14477504/
2012-01-21T13:08:15+09:00
2012-01-21T13:08:16+09:00
2012-01-21T13:08:16+09:00
maekawaz
詩集
持って帰った外の空気を全部吐き出したら
畳にシガミついて
ちょっと泣く真似なんかしてから
目を閉じたら
猫が鳴くから起き上がってネコ缶を開ける。
やっと眠れる
ドライヤーを止めてから
湯上りの温度をイソイソと
ベッドに運んでから目を閉じたら
猫が鳴くから起き上がって
ひとしきりネコジャラシを振り回した。
やっと眠れる
朝からずっと頭の中にある
うたのフレーズをウヤムヤにして
マクラを抱いて夢の中へ走り込み、
急いで目を閉じたら、
猫が歌うから
朝から気にしていた歌を猫が歌うから、
僕は起き上がり
吐き出すようにうたを書き始めた。
そんな夢を見た次の朝、
僕はもうそのメロディを忘れて
新しいうたを探している。]]>
ほっこり
http://maekawa.exblog.jp/14418429/
2012-01-14T12:51:07+09:00
2012-01-14T12:51:05+09:00
2012-01-14T12:51:05+09:00
maekawaz
詩集
を飼い育ててみようと思い立ってから
さまざま準備いたしました。
暑くないように扇風機と、
寒くないようにコタツも並べてました。
ほっこり
は寂しがり屋らしいので、
ネコにお願いしたら
友達になってくれると
約束も取り付けました。
ほっこり
に何を食べさせようか散々考えた挙句、
ホットココアを用意しました。
ほっこり
の寿命は様々で、長生きしたり、
短命だったり、復活したりするそうです。
どんな時でも僕たちは
ほっこり
を愛し、慈しみ、共に歩む覚悟をしました。
あとは、
ほっこり
がやって来るのを待つだけなのです。]]>
不機嫌なネコに向かって
http://maekawa.exblog.jp/14367112/
2012-01-09T08:34:49+09:00
2012-01-09T08:34:49+09:00
2012-01-09T08:34:49+09:00
maekawaz
詩集
理由を問いただしてって仕方ないから
お天気が変わるのを待っている事だけ
片隅にメモでも残して
ドミノでも並べていよう。
そのうち不機嫌に飽きたネコが
ドミノを倒しにやって来るだろうから。]]>
マボロシ
http://maekawa.exblog.jp/14358566/
2012-01-08T04:58:08+09:00
2012-01-08T04:58:08+09:00
2012-01-08T04:58:08+09:00
maekawaz
詩集
僕の見ているモノもマボロシだ。
音も温度も音楽も、
土も空も海も、
記憶も希望も絶望も、
すべてがマボロシだけれど、
けれどもそれが、
君と僕のそのマボロシが、
繋がっている事に意味がある。
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おはよう
http://maekawa.exblog.jp/8973142/
2009-09-16T22:00:48+09:00
2009-09-16T22:00:49+09:00
2009-09-16T22:00:49+09:00
maekawaz
詩集
おはようと言っただけで、
君は不愉快になるかもしれない。
僕の知らない事情があって、
複雑に気持ちが動いて、
結局、不愉快に思うかもしれない。
知らない君に
おはようと言ったことが、
君を傷つけたかもしれない。
僕に悪意が無いって分かった上で、
それでも何かを思って、
結局、君は哀しいかもしれない。
知らない君に、
おはようと言った日から、
君が何かを始めるかもしれない。
僕が提案したオハヨウが、
何かの弾みで転がって、
結局、大怪我をするかもしれない。
僕は君を知らないって恐怖と
今日もタタカって、
予測もつかない君の気持ちと
タタカって、
少しでも君を知るために、
もし、
もう一度夜が明けたなら、
おはようと、
言ってみようと思う。
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あしのうら
http://maekawa.exblog.jp/8903674/
2009-09-02T21:57:19+09:00
2009-09-02T21:57:18+09:00
2009-09-02T21:57:18+09:00
maekawaz
詩集
いちばん頼りになるから、
僕は立ち続けている。
ある日、ハチミツの洪水が来て
壁も床も天井も、
ベッドも椅子も机も、
ベタベタになったなら、
とりあえず立ち続けるしかないだろう。
ハチミツに寄りかかる事は簡単だけど、
紅茶の味を変える事も簡単だけど、
僕はハチミツまみれの手で、
君と手をつなぐコトは失礼だと考えている。
だから、
そうならない為にも、
足の裏を頼りに、
僕は立ち続けている。]]>
タマネギとラジオの午後
http://maekawa.exblog.jp/8833057/
2009-08-19T23:19:57+09:00
2009-08-19T23:19:56+09:00
2009-08-19T23:19:56+09:00
maekawaz
詩集
それは真実ではないと反発されるでしょう。
だから出来るだけ謙虚な言葉で
真実を語るんです。
私は真実には程遠いのだと、
台所に転がるタマネギに分かる事すら、
私には分からない。
それが真実だと。
そうすれば少しは認められるかもしれない、
お前が及ばぬソレこそが真実だと。
真実は私とアナタの都合により、
存在している。
そうだけれども、
タマネギにはそんな都合には関係がない。
それもまた・・・
茶色い皮を剥きながら、
誰も居ない午後、私はラジオに言った。]]>
ご趣味は・・・
http://maekawa.exblog.jp/8821749/
2009-08-17T21:28:54+09:00
2009-08-17T21:28:54+09:00
2009-08-17T21:28:54+09:00
maekawaz
詩集
難しい物語を包み込んで眠ること。
食べる事。
消化できない謎を毎日カジって食べること。
遊ぶ事。
ただ空を見て遊ぶ事。
探す事。
暖かいところと涼しいところを探すこと。
無意味に上機嫌で、
一日中ボンヤリして、
今ここにある世界を体中で感じて、
鼓動をうつこと。
君にも愛情にも、
少しも興味のないフリをして、
素直に振舞わないこと。
昨日と同じでいいと言いながら、
少しずつテリトリーの外を覗くこと。
おおよそ、猫と同じです。
誰に聞かせるでもなく、
のどを鳴らして歌うこと。]]>
高所恐怖症の翼
http://maekawa.exblog.jp/8816654/
2009-08-16T21:45:29+09:00
2009-08-16T21:45:29+09:00
2009-08-16T21:45:29+09:00
maekawaz
詩集
体が石のように固くなって、
トリワケ翼が動かなくなったこの頃、
歳月のせいだなんて言いたくないので、
折れそうな翼をゆっくりと動かしてみる。
今では空も海も、
底知れない恐怖に感じるけれど、
行かねばならない世界がある。
名も知らぬ風に
この身を晒しながら。]]>
魔法
http://maekawa.exblog.jp/7376766/
2008-08-07T20:54:55+09:00
2008-08-07T20:55:24+09:00
2008-08-07T20:55:24+09:00
maekawaz
詩集
僕は世界を手に入れた。
2回目の魔法で遠くまで空を飛び、
3回目の魔法で大勢を少しだけ笑顔にした。
その次にはコンテストで一番になり、
その次には美味しいものを食べた。
それから雨を降らせて雨を上がらせ、
虹を見て星空を見た。
電車を遅らせてバスを早めた。
失くしたものを見つけた。
足りない10円を出した。
背中の痒みを止めた。
コーヒーを少し苦くした。
カレーを少し辛くした。
身長を3ミリ伸ばした。
寝癖を直した。
見つからずにアクビをした。
3分多く寝た。
それから魔法でテレビのチャンネルを変えて、
それから魔法でうたをつくった。
それから魔法で君を探して、
それでも見つからずに時は過ぎて、
僕はすっかり魔法を失って、
魔法を使わずにうたをつくった。
そして、
魔法を使わずに君と出会った。]]>
いつも永遠を願っている
http://maekawa.exblog.jp/7344535/
2008-07-28T00:02:52+09:00
2008-07-27T23:57:31+09:00
2008-07-27T23:57:31+09:00
maekawaz
詩集
また街角で聞きながら、
アナタが永遠に生きている気がして、
それでもとても哀しくなる。
人はうたを残して去るんじゃない。
うたを分け合っているんだ。
同じうたを同じだけ。]]>
暑さを凌ぐ為の自己暗示
http://maekawa.exblog.jp/7336046/
2008-07-25T01:03:56+09:00
2008-07-25T01:04:21+09:00
2008-07-25T01:04:21+09:00
maekawaz
詩集
小さな粒は、
街行く誰もが気付く事が無い。
太陽の光が世界を真っ白にした日にも、
アナタの秘密は
凛とした静寂の涼やかさを
保ち続けていた。
全身で受け止めた太陽の熱が、
やがて心臓を焼き尽くしても、
アナタの秘密は、
ガラスの輝きを持つ透明の温度で、
凍り続けている。
あまりに小さいその粒は
アナタ自身ですら見る事はないけれど、
時々目を閉じて、
アナタは感じている。
それは全く別の季節のような、
青い空のような粒だ。
いま、
氷の彫刻だったアナタが、
数時間で溶けてなくなろうとしても、
最後に残るアナタの秘密は、
どこまでも涼やかに
アナタを再生する。
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