誰かが言った
夕暮れに交差点に差しかかると、
それは優しさじゃないと、 誰かが言った。 それで僕がタクシーを降りると、 それは強さじゃないと、 誰かが言った。 僕はひとりで歩き始める。 それは思いやりじゃないと、 誰かが言った。 アパートの階段を上がると、 それは救いじゃないと、 誰かが言った。 鍵を開けドアを開けると、 それは世界じゃないと、 誰かが言った。 ドアの中には、 夕暮れからの記憶だけが、 空間にばら撒かれていた。 そこは夕暮れの交差点。 僕はタクシーをとめる。 それはリアルじゃないと、 誰かが言った。 僕は永遠の中で、 誰かの声を聞いているけれど、 それは祈りじゃないとは、 誰も言わない。
by maekawaz
| 2004-11-17 23:23
| 詩集
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