駅までの道のりの途中で
駅前に住んでいた頃は
息を止めたままでも駅まで辿り着いたし、 新幹線だってSLだってすぐに飛び乗って、 宇宙の果てにでも行けたけれど、 引っ越してからは、 一日や二日歩いたぐらいでは 駅には辿り着かないし、 飛び乗るべき一輪車も二輪車も 錆付いてイライラするんだ。 あの頃見た宇宙の果てだって、 なんだかマボロシのような気がするんだ。 でもね、 うちにテレビがあるんだけれど、 うちのテレビはちょっと嘘つきなんだけど、 宇宙の果ては拡がっているって、 テレビが言っていたから、 本当かどうか分からないけど、 俺はナルホドナって思ったね。 道理で昔ほど簡単に辿り着かないんだナ、 遠い遠い駅までの道のりの途中で 追い越して行く車輪の錆の音も軽やかに、 それでも僕は歩いている。
by maekawaz
| 2012-02-05 00:32
| 詩集
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