危険な恋
目指す場所は様々であるが、
その道のりは等しく険しいものじゃ。 いや、険しいと言うには絶望的すぎるかもしれぬな。 いたる所に悪魔が口を開いたような奈落が広がり、 奈落のはるか底には、 身を焦がす灼熱の温度が待ち構えておる。 その灼熱が吹き上げる蒸気は、 旅人を惑わす甘い香りを放ち、 奈落の底へと誘い込んでおるのじゃ。 旅人の誰もが蒸気を吸い込み、 その抗いがたい誘惑に導かれ、 恍惚とした表情でその身を溶かしていくのを、 儂は何度見てきたことか。 未来を知らぬ者は皆旅人であり、 旅人は常に、 次の瞬間、恋に落ちるかもしれぬわけじゃ。
by maekawaz
| 2004-05-20 20:48
| 詩集
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